
愛か、使命かー
女優兼歌手としてスターダムを駆け上がろうとしているヒロイン、レイチェル・マロンと、
ボディガードとして守るフランク・ファーマーの恋を描いた本作。
愛と使命と。
どちらかしか選べないとしたら優先されるべきはどちらなのか。
そして、結ばれるだけが愛ではないことを示す良作です。
そんな本作の魅力に迫ります。
多少のネタバレを含みますが、どうぞ最後までお楽しみください!!
守ってくれる男は2割増でかっこよく見える?
ボディガードの依頼を受けたフランク・ファーマーが
レイチェル・マロンの自宅を訪れたとき、そのあまりにずさんな警備体制に呆れます。
さらには当のレイチェル自身が新しくボディガードが
つくことに嫌悪感を示すものだから、先行き不安ですが...
案の定危険な目に遭うレイチェルは狙われますが、そこをフランクが助けます。
これを機にレイチェルの気持ちは一気にフランクへと向けられることに。
自分が狙われていると知っている
そんな自分を守ってくれる
レイチェルからしてみれば、ファーマー以上に頼りになる人はいなかったかもしれません。
守ってくれる男は2割増でかっこよく見えますね。
2人の間には恋心も芽生えるが...

危ないところを冷静に助けてくれたファーマーに対しレイチェルは心を開き、
やがて恋心を抱いていきます。
それを知ったファーマーも彼女に惹かれ、ほんの一時だけ
2人はただの男と女として心を通わせます。
しかし、それではクライアントを守れないと思ったファーマーはすぐに態度を改めます。
あまりに急なため、それなら最初から好きな素振りを見せるなよ!!と突っ込みたくなるほど。
この辺りのファーマーの一連の感情の揺れ動き方には賛否ありそうですね。
本作の特徴でもあるんですが、こういう気持ちの変化が比較的あっさりと起こります。
感情の面から見てもテンポの速い作品だと言えますね。
プロフェッショナルとして仕事に徹する
自分自身も好きだけど、レイチェルの気持ちを拒んだフランクは
愛と使命の狭間で使命を優先し、プロフェッショナルとして仕事に徹することを選びました。
そんなフランクとは対照的に描かれているのがもう1人のボディガード、トニーです。
対照的なもう1人のボディガード
フランクがレイチェルのボディガードを務めるより前から彼女の身辺警護を担当していたのが
トニー・シペリです。
彼もまたフランクと同じくボディガードですが、フランクと違い
レイチェルに対して恋心を抱き、それを隠しません。
好きな相手を守りたい!!
これがトニーのスタンス。
一方はプロフェッショナルとして。
一方は想いを寄せる相手を守りたくて。
最終的にはトニーとフランクが力を合わせてレイチェルを守りますが、
その姿勢はフランクとはやはり対照的に描かれています。
トニーという存在は、フランクの
プロフェッショナルとして仕事に徹する
という姿勢を強調するものとしても機能しているのでしょう。
2人の愛は本物

レイチェルが危機を脱した後、フランクは彼女のもとを離れ新たにボディガードの仕事を
始めます。
それぞれが元の世界へ戻り、2人の恋も終わりました。
それでも、お互いの心の中にはその後もずっと相手のこと、
相手を想う心が残っているようです。
こんな愛のかたちもあるよね。結ばれるだけが愛ではないね。
僕は比較的素直にこの結末を受け止めました。
レイチェルが歌う"I Will Always Love You"が教えてくれていますからね。
2度と会うことはないかもしれないけれど、そこにあった愛は確かなもの。
2人の愛のかたち、あなたにはどのように映るのでしょうか。