誰もが幸せそうな顔で大好きな人に微笑みかける。
そっと寄り添って並んで歩く。
夜勤明けの人々。そろそろ起きる人々。みんな幸せそう。
洗い立ての太陽が照らす街は美しいですね。
ロサンゼルスにもさわやかな朝がやってきました。
しかも、それだけじゃない。
なんたって今日はバレンタインデーなんだから!!
映画『バレンタイン・デー』は、そんな“特別な日”に
愛を送り、受け取り、迷い、騙し騙され、立ち止まり。
それぞれのキャラクターがそれぞれの立場で愛について再発見するような、
ロマンティック・コメディ映画です。
入れ替わり立ち替わり登場する人たち誰もが主人公で、
嫌でもそれを意識せずには過ごせない1日。
バレンタインデー。
本作のみどころを見ていきましょう!
基本情報
監督:ゲイリー・マーシャル
脚本:キャサリン・ファゲイト
製作会社:ニュー・ライン・シネマ
配給:ワーナー・ブラザーズ
公開:2010年2月12日(日本)
キャスト
ジェシカ・アルバ(モーリー・クラークソン)
キャシー・ベイツ(スーザン・モラレス)
ジェシカ・ビール(カーラ・モナハン)
ブラッドリー・クーパー(ホールデン・ウィルソン)
エリック・デイン(ショーン・ジャクソン)
パトリック・デンプシー(ハリソン・コープランド)
ヘクター・エリゾンド(エドガー・パディントン)
ジェイミー・フォックス(ケルヴィン・ムーア)
ジェニファー・ガーナー(ジュリア・フィッツパトリック)
トファー・グレイス(ジェイソン・モリス)
アン・ハサウェイ(リズ・カラン)
カーター・ジェンキンス(アレックス・フランクリン)
アシュトン・カッチャー(リード・ベネット)
クィーン・ラティファ(ポーラ・トーマス)
テイラー・ロートナー(ウィリー・ハリントン)
ジョージ・ロペス(アルフォンソ・ロドリゲス)
シャーリー・マクレーン(エステル・パディントン)
エマ・ロバーツ(グレース・スマート)
ジュリア・ロバーツ(ケイト・ヘイゼルタイン)
ブライス・ロビンソン(エディソン)
テイラー・スウィフト(フェリシア・ミラー)
マシュー・ウォーカー(グレッグ・ギルキンス)
キャサリン・ラ・ナサ(パメラ・コープランド)
ミーガン・スリ(レイニー)
ポール・ウィリアムズ(ロミオ・ミッドナイト)
バレンタインデーは1年で最も幸せな日?
花屋シエナ・ブーケの店主リードによると、アメリカではこの日に
1億1000万本の赤いバラが売れるんだとか!!
そんな格別に愛に満ちたロサンゼルスを舞台に、さまざまな人々が
それぞれの愛のかたちを模索していきます。
リードは同棲中のモリーにプロポーズ。
高校生の恋人たちグレースとアレックスは初体験を計画。
作中に出てくるあらゆる人がこの問いかけに体当たりで答えていきます。
”What does valentine’s day mean to you??
(あなたにとってバレンタインデーとは?)”
ちなみに僕にはバレンタインデーにまつわる、
文字通り愛に満ちた思い出があります。
結婚式を行なった日です。
誰もが主役??魅力たっぷりの登場人物を一挙紹介
登場人物多めの映画なので、ちょっと整理してみましよう。
リード
花屋シエナ・ブーケの店主。
バレンタインデーにプロポーズ!!
ジュリア
リードの親友。小学校教師
担任で受け持つクラスにエディソンやレイニーがいる。
ハリソン
ジュリアの恋人。医師。
バレンタインデーも手術が入る、敏腕外科医?
と思いきや妻パメラのもとへ…
パメラ
ハリソンの妻。夫の不倫のことなど知りもせず。
エディソン
ジュリアのクラスのおませな男の子。
リードの店でジュリアにプレゼントする花を買う。
レイニー
エディソンと同じクラスの女の子。
エディソンとは趣味が合うらしい。
エドガー
エディソンの祖父。
妻エステルとの一途な愛を貫いてきたと
自負するが…
エステル
エドガーの妻、エディソンの祖母。
バレンタインデー当日にずっと隠してきた
若かりし日の過ちを打ち明けるが…
グレース
バイトでエディソンのシッターをする高校生。
恋人のアレックスとロマンティックな初体験を計画中。さて。
アレックス
同じ高校に通うグレースの恋人。
バレンタインデーのこの日は
初体験のことで頭がいっぱいなご様子。
フェリーシア
グレースの高校の友人。
ハリソンと同じマンションに住んでいて、
ハリソンの部屋から帰るジュリアにも遭遇。
ウィリー
フェリーシアの恋人。
陸上部でスポーツ万能。
ちょっと抜けたところがあるんだとか。
ショーン・ジャクソン
アメリカンフットボールのスーパースター。
周囲からは引退を噂されるが…
ポーラ
ショーンの代理人。
ファンとしてもショーンには引退してほしくないようだが。
リズ
ポーラの秘書。
新しくできた恋人のジェイソンとは順調そう。
金欠でテレフォンサービスの副業をしていること、
それをジェイソンには黙っていること以外は。
ジェイソン
ど田舎から大都会ロスにやってきた、
と本人が言っている、ウブな若者。
リズのことが大好き。
バレンタインデーのこの日は
傷つきながらも愛について学べたのかな。
カーラ
ショーンの広報担当。
去就が騒がれるショーンのマスコミ対応をしつつ
毎年企画している“I hate valentine” パーティの参加人数
の方が気になる様子で。
ジュリアのお友達。
ケルヴィン
普段はスポーツを担当するキャスター。
バレンタインとは距離を置きたいと思いながら
花市場をはじめストリートインタビューを行う。
露骨に嫌々やっている感じ。
ケイト
飛行機でどこかに向かう軍人。
たまたま隣り合ったビジネスマンに
肩を貸してもらった縁で仲良くなる。
ホールデン
ケイトと隣の席になった乗客。
身のこなしや話し方が洗練されたビジネスマン。
包容力と理解力もありそう。
ちょっと恋に悩んでいるご様子で。
所々でクロスしていく登場人物たち
ストーリー全体を通してテンポよく
場面と人が入れ替わってゆくのは
群像劇ならではの楽しみですね。
あっちとこっちの話が交差して。
あれとこれがここで繋がって。
いくつもの話が交錯していく本作の中から
個人的に印象に残ったものをピックアップ!!
ジェイソンとエドガー
リズとの夕食がうまくいかず、
落ち込むジェイソン(誰のせい?かは、まあ、忘れましょう)
彼は映画が上映される墓地で、同じ映画を観に来た
エドガーと知り合います。
そして、2人でちょっと悲しい1日を振り返るのでした。
でも、映画を観ながら
「愛ってなんだろう?」という疑問の
答えを見つけられたんだからOKですね。
エドガーの方も、日中の荒んだ心も落ち着いてきて
エステルの弁明をそのまま
受け入れることができました。
「良いも悪いもそっくり受け入れる」
言うほど簡単じゃないですが、
愛ってそういうことでしょうね。
ホールデンとショーン
プロとしてのキャリアの岐路に立ち、
ぼんやり悩んでいたら交通事故を起こす。
そしてなぜか突然のカミングアウトで周囲を驚かせる。
ショーンにとってこのバレンタインデーは
精神的にはジェットコースターのようでした。
部屋のソファで居眠りするショーンのもとへ
やってきたホールデンを見つめる眼。
他で見せていたギラギラしたそれとは違い
警戒心ゼロな、安心し切った眼差しが
2人の関係を雄弁に物語っていたなと、
そんな印象を受けました。
飛行機の中でケイトに見せていたのと
同じような包容力をここでも垣間見せるホールデン。
包容力、大事ですね!!
ケイトとエディソン
なんと言ってもこの2人が1番きゅんとするんじゃないでしょうか!!
個人的には圧倒的にこれでした。
ケイトがたった一晩いっしょに過ごすために
14時間のフライトを経て会いにきたのは
“ちいさな恋人”、離れて暮らす
息子のエディソンでした。
小さなベッドでぎゅうぎゅう詰めになって
一緒に寝る2人の愛らしいこと。
このシーンを語るのに、これ以上の言葉は野暮ってもんです。
ロマンティックであり、同時に“コミカル”な1日
バレンタインデーが他の日と何が違うのか。
誰もが、愛とか自分の気持ちにまっすぐ
オープンなんですね。
それが作品の端々から伝わるから、この話は
基本的にロマンティックです。
キャラクターそれぞれにとって、ロマンティックと言えばいいのかな。
「ピンク」と言われて思い描く色が少しずつ違うように、
愛にしろ、バレンタインデーにしろ、同じように受け止めているわけではないけれど
それでいいんですよね。
一方で、終始コミカルでもあります。
サプライズでプロポーズする前にもっと話し合って!!とか
学校で渡すのにそんなでっかいプレゼント無理でしょ!!とか
ツッコミどころの連続なので、それもまた
飽きずに観られるポイントかなと思います。
1人寂しくホテルの一室で冷えたピザを食べることに
なった某医者には同情します。
彼だけはシリアスに1日を終えるのかな。
まとめ
老夫婦エドガーとエステルも、付き合いたてのリズとジェイソンも、
高校生の恋人たちグレースとアレックス、フェリシアとウィリーも。
ゲイであることをカミングアウトしたアメフトのスーパースター、
ショーン・ジャクソンとそのパートナーであるホールデンも。
バレンタインを毛嫌いするカーラとケルヴィンも。
そして恋人にプロポーズしながらもバレンタインデーに
破局してしまったリードとその親友ジュリアも。
みんな大切にすべき人を見つめ直し、気持ちを確かめ合い、
1年で最も愛に満ちた日に愛を噛み締めたことでしょうね。
彼らを丸ごと包み込むラジオDJロミオ・ミッドナイトの優しい声がたまりません!!
恋人と寄り添って観るもよし。
家族で、友人同士でわいわい観るもよし。
1人でクスッと笑いながら観るもよし。
誰と観ても楽しく、ほっこり温かい気持ちになれる映画だと思います。
さぁ、あなたは誰と観ますか?
最後はおませな小学生エディソンも言っていた、素敵なセリフで締めましょう。
You are my valentine.